前立腺肥大症に対する、
身体への負担を抑えた日帰り手術
「前立腺肥大症の薬を飲んでいるけれど、症状が十分に改善しない」
「薬を長く飲み続けることに負担を感じている」
「手術を勧められたけれど、身体への負担が心配」
このようなお悩みをお持ちの方に、薬物療法とも、前立腺組織を切除・核出する従来の手術とも異なる新しい治療選択肢として、WAVE治療(経尿道的水蒸気治療/Rezum〈レジューム〉)があります。
WAVE治療は、肥大した前立腺組織に水蒸気を注入し、その熱エネルギーによって組織を治療する低侵襲外科的治療(MIST)です。治療した組織は時間をかけて体内に吸収され、前立腺の容積が減少することで、尿道への圧迫を軽減し、排尿状態の改善を目指します。
水蒸気の対流を
利用した治療
平均治療時間は
10分未満
治療した組織は
自然に吸収され
小さくなる
狙った部分のみ
治療
前立腺肥大症でお悩みの方、ご相談ください
- 前立腺肥大症の薬を飲んでいるが、十分な改善を感じられない
- 長期間、薬を飲み続けることに負担を感じている
- 尿が出にくい、尿の勢いが弱いなどの症状に悩んでいる
- 前立腺肥大症の手術を検討するように言われた
- 身体への負担を抑えた治療について相談したい
- 年齢や持病などから、治療による身体への負担が心配
- WAVE治療が自分に適しているか知りたい
WAVE治療とは
WAVE(Water Vapor Energy Therapy)は、水蒸気の熱エネルギーを利用して、肥大した前立腺組織を治療する低侵襲外科的治療(MIST)です。尿道から専用の機器(Rezum〈レジューム〉システム)を挿入して治療を行います。
WAVE治療は日本でも保険診療として行われており、健康保険を利用して治療を受けることができます。
WAVE治療のしくみ
水蒸気の熱エネルギーを利用して前立腺を治療します
WAVE治療では、尿道から専用の機器(Rezum〈レジューム〉システム)を挿入し、肥大した前立腺組織に針を刺して、約103℃の水蒸気を注入します。水蒸気が組織内で液体に戻る際に放出される熱エネルギーによって、肥大した前立腺組織を壊死させます。
治療した組織は、その後1~3か月ほどかけて徐々に体内に吸収され、前立腺のボリュームが減少することで尿道への圧迫が軽減されていきます。
治療時間は前立腺の大きさや治療箇所などによって異なりますが、目安は5~10分程度です。
麻酔について
当院では、WAVE治療を腰椎麻酔を使用して日帰りで行っています。
腰椎麻酔は、腰から麻酔薬を投与し、下半身の痛みを感じにくくする麻酔方法です。麻酔が十分に効いていることを確認してから治療を開始し、治療中の痛みをできるだけ抑えられるよう配慮しています。
全身麻酔を必要としないため、ご高齢の方や、全身麻酔による身体への負担が心配な方にも検討いただけます。
術後の尿道カテーテルの留置について
WAVE治療は、水蒸気の熱エネルギーを使用する ため、前立腺組織の温度が上がり、浮腫(腫れ)を 起こします。 尿道に浮腫がある間に尿閉にならいよう一定期間、 尿道カテーテルを留置します。カテーテルを留置する期間は、前立腺の状態や治療後の排尿状態などによって異なります。
薬物療法・従来手術とWAVE治療の比較
薬物療法は身体への負担が少なく、前立腺肥大症の治療として広く行われています。一方、症状や使用する薬によっては長期間の服用が必要となることがあり、薬を中止すると症状が再び現れる場合もあります。
TURPやHoLEPなどは、肥大した前立腺組織を切除・核出することで尿道の圧迫を改善する治療です。排尿状態の改善が期待できる一方、入院や麻酔が必要となることが多く、術後の尿失禁や射精障害などが生じる可能性があります。
WAVE治療は、前立腺組織を切除・核出せず、水蒸気の熱エネルギーを利用して治療する低侵襲外科的治療(MIST)です。 従来の手術と比べて身体への負担を抑えられ、性機能への影響が比較的少ないと報告されています。
このようにWAVE治療は、薬物療法とは異なり前立腺組織そのものに作用しながら、従来の手術よりも身体への負担を抑えることを目指した治療選択肢として位置づけられています。
| 比較項目 | 薬物療法 | WAVE治療 | TURP・HoLEPなど |
|---|---|---|---|
| 治療方法 | 薬によって排尿症状の改善などを図る | 水蒸気の熱エネルギーで前立腺組織を治療 | 前立腺組織を切除・核出 |
| 身体への負担 | 手術を伴わない | 身体への負担を抑えた低侵襲外科的治療 | 入院や麻酔を伴うことが多い |
| 治療の継続 | 継続的な服薬が必要となることがある | 治療後、組織が徐々に吸収される | 前立腺組織を直接切除・核出 |
| 性機能への影響 | 薬剤によって異なる | 比較的少ないと報告されている | 射精障害などが生じることがある |
| 効果の現れ方 | 服薬によって症状改善を図る | 数週間~数か月かけて徐々に改善 | 比較的早期から改善が期待できる |
WAVE治療の特徴
水蒸気の熱を利用した、切らない治療
WAVE治療は、水蒸気の熱エネルギーを利用して肥大した前立腺組織を治療する方法です。
水蒸気によって治療された前立腺組織が、1~3か月ほどかけて徐々に体内に吸収されることで前立腺の容積が減少し、排尿状態の改善が期待できます。
インプラントなどの人工物を体内に留置する必要がなく、治療後に異物が体内に残ることもありません。
前立腺組織を切除・核出する手術と比べ、出血を抑えられることが特徴です。
治療時間は5~10分程度
WAVE治療は、従来の手術(TURPやHoLEPなど)のように前立腺組織を切除・核出するのではなく、水蒸気の熱エネルギーを利用して治療する低侵襲外科的治療です。
治療時間は前立腺の大きさや治療箇所などによって異なりますが、5~10分程度が目安です。
尿失禁や性機能への影響を抑えた治療
WAVE治療は前立腺組織を切除・核出しないため、術後の尿失禁や性機能への影響が比較的少ないことが特徴です。
特に、従来の手術(TURPやHoLEPなど)で問題となることがある逆行性射精についても、発生率が低いことが報告されています。
ご高齢の方にも検討できる身体への負担が少ない治療
当院では、WAVE治療を全身麻酔ではなく腰椎麻酔を使用して日帰りで行っています。
身体への負担を抑えた低侵襲外科的治療であるため、ご高齢の方や、全身麻酔による身体への負担が心配な方にも検討できる治療選択肢のひとつです。
長期的な治療効果が報告されています
米国で実施された臨床試験では、IPSSやQOLスコアといった症状 の改善度合いを示す指標が5年後も持続していました。 また、5年間の再手術率も4.4%と低い数値が報告されています* 。
*McVary KT, Gittelman MC, Goldberg KA, et al. Final 5-year outcomes of the multicenter randomizedsham-controlled trial of Rez?m water vapor thermal therapy for treatment of moderate-to-severe lowerurinary tract symptoms secondary to
当院の日帰りWAVE治療の特長
日本泌尿器科学会専門医・指導医である院長が診療から執刀まで一貫して対応
当院では、日本泌尿器科学会専門医・指導医である院長が、診察・検査からWAVE手術の適応判断、執刀、治療後の経過観察まで一貫して対応します。
WAVE治療を行って終わりではなく、治療後の排尿状態まで継続して診療いたしますのでご安心ください。
WAVE治療についてご不安なこと、前立腺肥大症や前立腺がんについて疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。
前立腺がんの可能性も含めて診断
前立腺肥大症と前立腺がんは異なる病気ですが、排尿症状だけで区別することはできません。
当院ではPSA検査などを行い、前立腺がんの可能性も確認したうえでWAVE手術の適応を判断します。必要に応じて、前立腺生検による詳しい検査にも対応しています。
手術後のフォローアップを大切にしています
WAVE手術は、手術を受けて終わりではありません。 当院では治療後も定期的に排尿状態や症状を確認し、必要に応じた治療を行うなど、術後の継続的なフォローを大切にしています。
豊富な診療・手術経験をもとに、適した治療を見極めます
院長はこれまで、大学病院や地域の基幹病院などで泌尿器科診療に携わり、前立腺疾患をはじめとするさまざまな泌尿器疾患の手術を経験してきました。
当院では、これまでの診療・手術経験をもとに、WAVE手術ありきではなく、一人ひとりの状態やご希望を踏まえて適した治療方法を検討します。 WAVE以外の手術が適していると判断した場合には、対応可能な医療機関へご紹介します。
WAVE治療の対象となる方
WAVE治療は、前立腺肥大症に対して手術療法を検討する方に対する治療選択肢のひとつです。
以下のような場合、WAVE治療を検討いたします。
- 薬物療法を行っても十分な改善が得られない
- 中等度~重度の排尿症状がある
- 尿閉を起こしたことがある、または繰り返している
- 前立腺肥大症に伴う尿路感染症、血尿、膀胱結石などがある
- 薬の副作用や長期間の服用が負担になっている
- 身体への負担を抑えた治療を希望している
現在の国内の適正使用指針では、前立腺体積30~150mLがひとつの目安とされています。
ただし、前立腺の大きさだけでWAVE治療を行うかどうかが決まるわけではありません。前立腺の形状や肥大している部位、排尿状態、残尿量、合併症、全身状態などを確認したうえで治療方法を検討します。
※WAVE治療以外の治療方法が適していると判断した場合には、対応可能な医療機関へのご紹介も行います。
WAVE治療の流れ
1.診察・術前検査
- 排尿症状や前立腺の状態、これまでの治療経過、服用している薬などを確認し、WAVE治療が適しているかを判断します。
- 必要に応じて尿検査、超音波検査、尿流測定、残尿測定、PSA検査などを行い、WAVE治療の適応を判断します。前立腺がんの精査が必要な場合には、必要な検査を行ったうえで治療方針を検討します。
2.WAVE治療の説明
- 検査結果をもとに、治療方針をご説明いたします。
- WAVE治療の適応があり、治療を希望される場合には手術日を決定します。
- WAVE治療の方法や治療後の経過、リスクなどについてご説明します。
3.WAVE治療
- 麻酔により眠った状態で、尿道から専用の機器を挿入し、前立腺の状態を確認しながら、肥大した前立腺組織に水蒸気を注入します。
- 治療後は前立腺組織が一時的に腫れることにより、尿が出にくくなるため、尿道カテーテルを留置します。
- WAVE治療自体は5~10分程度で終了します。準備や麻酔や術後の安静も含め、院内の滞在時間は4時間程度です。
4.ご帰宅
- 治療後は院内で休んでいただき、麻酔からの回復や全身状態などを確認したうえでご帰宅いただきます。
- 夜間や休日にお困り事があった際の対応のために、訪問看護を導入しております。入院治療の際の病棟看護師と同じ役割です。
遠方からお越しの方は、当院の建物にホテルがございますので、そちらにお泊り頂くことも可能です。
5.経過観察・定期診察
- 治療後は定期的に診察を行い、排尿状態や症状の変化などを確認します。
- 治療した前立腺組織は時間をかけて吸収されるため、排尿状態も徐々に変化していきます。
- 尿道カテーテルも外来で抜去いたします。
WAVE治療後の経過とフォローアップ
WAVE治療は、治療を受けて終わりではありません。治療した前立腺組織が徐々に吸収され、排尿状態が改善していくまでには一定の時間がかかるため、当院では治療後の経過観察も大切にしています。
治療後1~2週間程度は、前立腺組織のむくみ(浮腫)や炎症によって、一時的に尿が出にくくなったり、頻尿や急な尿意(尿意切迫感)などの症状が現れたり、強くなったりすることがあります。
その後、治療した組織が徐々に吸収され、1~3か月ほどかけて前立腺のボリュームが減少していきます。当院では、この間の排尿状態や残尿、頻尿・尿意切迫感などの症状を確認しながら経過をみていきます。
また、尿道の圧迫が改善した後も頻尿や尿意切迫感などが続く場合には、過活動膀胱(OAB)などの可能性も考え、必要に応じて薬物療法を行います。
WAVE治療によって尿道の圧迫を改善するだけでなく、治療後の排尿状態まで継続して診療することを大切にしています。
WAVE治療のリスク・副作用
治療後、以下の副作用が起こる可能性があります。
多くは治療後の経過とともに改善していきますが、症状によっては治療が必要になる場合があります。
治療後に尿がまったく出ない、強い血尿が続く、発熱があるなどの場合には、早めにご連絡ください
- 排尿困難
- 血尿
- 尿路感染症 など
WAVE治療の費用(保険適用)
WAVE治療は健康保険が適用されます。手術当日の支払額はおよそ以下のようになります。
| 保険料の負担割合 | 金額(目安) |
|---|---|
| 3割負担 | 約16万円 |
| 2割負担 | 約11万円 |
| 1割負担 | 約6万円 |
高額療養費制度について
WAVE治療は、高額療養費制度の対象となります。高額療養費制度とは、1か月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、年齢や所得に応じた自己負担限度額を超えた分が支給される制度です。
マイナ保険証を利用し、限度額情報の提供に同意した場合は、原則として「限度額適用認定証」を別途申請・提示しなくても、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。
マイナ保険証を利用しない場合などは、加入している医療保険への事前申請が必要となることがあります。制度の利用方法や自己負担限度額については、ご加入の医療保険へご確認ください。
WAVE治療のよくある質問
- WAVE治療は新しい治療方法ですが安全ですか?
-
日本では行政の承認を2022年に取得しましたが、欧米では10年以上の実績があり、治療の効果が保たれていることが示されている治療法です。
- WAVE治療は日帰りで受けられますか?
-
当院ではWAVE治療を日帰りで行っています。
治療後は院内で状態を確認し、問題がなければご帰宅いただきます。
患者さんの全身状態などによっては、ほかの治療方法や医療機関での治療をご提案する場合があります。 - WAVE治療中は痛みを感じますか?
-
麻酔を使うため、WAVE治療中は痛みを感じません。
治療後には、排尿時の痛みや違和感などが一時的にみられることがあります。 - WAVE治療の効果はいつごろから実感できますか?
-
水蒸気によって壊死した組織が体内に吸収され始めると、それに伴って症状の改善が見られます。組織の自然吸収は、患者様によって異なりますが術後数週間から1か月後から始まります。
- 高齢ですがWAVE治療を受けられますか?
-
WAVE治療は身体への負担を抑えた低侵襲外科的治療であり、高齢の方や、従来の手術による身体への負担が心配な方にも検討される治療選択肢のひとつです。ただし、治療が可能かどうかは年齢だけでなく、前立腺の状態や排尿状態、持病、服用している薬、全身状態などを確認したうえで検討します。 「年齢的に手術は難しいのでは」と心配されている方も、まずはご相談ください。
- 前立腺が大きくてもWAVE治療を受けられますか?
-
国内の適正使用指針では、前立腺体積30~150mLが目安とされています。
ただし、大きさだけで治療方法が決まるわけではありません。前立腺の形状や排尿状態などを確認し、治療方法を検討します。 - WAVE治療後は前立腺肥大症の薬をやめられますか?
-
WAVE治療後に排尿状態が改善した場合には、これまで服用していた前立腺肥大症の薬を減量・休薬できることがあります。
ただし、治療後の経過や症状には個人差があり、すべての方が薬を中止できるわけではありません。排尿状態や残尿などを確認しながら、薬の継続・減量・休薬を判断します。 - WAVE治療を受ければ頻尿や夜間頻尿も改善しますか?
-
WAVE治療によって前立腺による尿道の圧迫が軽減されることで、頻尿や夜間頻尿などの改善が期待できます。
ただし、頻尿や尿意切迫感などは、前立腺肥大症だけでなく過活動膀胱などによって生じている場合もあります。そのため、WAVE治療後も症状が続く場合には、排尿状態などを確認し、必要に応じて薬物療法などを行います。 - WAVE治療で性機能に影響することはありますか?
-
WAVE治療は、前立腺組織を切除・核出する治療とは方法が異なり、臨床試験では性機能への影響が比較的少ないことが報告されています。
ただし、影響がまったくないわけではなく、射精量の減少、射精障害、勃起機能の悪化などが起こる可能性があります。 - WAVE治療後に再治療が必要になることはありますか?
-
WAVE治療では、治療5年後の再手術率はわずか4.4%と報告されています。一方で、治療後に症状が再び現れ、薬物療法や再治療が必要となる場合もあります。
治療効果やその持続期間には個人差があるため、当院では治療後も排尿状態を確認しながら経過をみていきます。
前立腺肥大症の治療でお悩みの方へ
前立腺肥大症の治療は、薬を飲み続けることだけが選択肢ではありません。
「薬を飲んでいるけれど症状が改善しない」
「手術を勧められたが、ほかの方法も知りたい」
「自分がWAVE治療の対象になるのか知りたい」
という方も、まずはご相談ください。
現在の症状や前立腺の状態、これまでの治療経過、全身状態、ご希望などを確認しながら、治療方法を一緒に検討していきます。
泌尿器科
中井 暖
大学病院および地域の基幹病院で15年間、泌尿器科医として勤務し、前立腺疾患や排尿障害、尿路結石、泌尿器がんなど、幅広い泌尿器疾患の診療に携わってきました。
現在はオーシャンクリニック院長として、前立腺生検などのクリニック内で可能な日帰り検査によるがんの早期発見に取り組むとともに、前立腺肥大症や過活動膀胱、包茎などに対する手術・治療にも積極的に取り組んでいます。
- 日本泌尿器科学会専門医・指導医
- 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
- 日本内視鏡外科学会 腹腔鏡技術認定医
- 手術支援ロボット ダビンチCertificate
- ボトックス施注医
- 緩和ケア研修会修了
- 難病指定医
- 身体障害者福祉法第15条指定医(ぼうこう又は直腸機能障害)








