前立腺がん治療法HIFUとは

Prostate cancer treatment HIFU

HIFU(ハイフ)とは

HIFU(ハイフ)は、早期発見された限局性前立腺がんに対して、臨床効果が得やすい治療方法です。

HIFU(ハイフ)の5つの特長

  1. 1.早期発見の場合、90%以上の治癒率を誇る実績
  2. 2.体をほとんど傷つけず、合併症の少ない治療法
  3. 3.同じ建物のホテルで1泊、翌々日には仕事に復帰できる
  4. 4.前立腺がんを他の施術で治療後に、再発した場合でもHIFU治療が可能
  5. 5.癌が1-2か所の場合、局所療法がおすすめ

01. 早期発見の場合、90%以上の治癒率を誇る実績

HIFUの治療方法は、肛門から治療用プローブを挿入し、前立腺内部に超音波を集束します。超音波が集束した小さな焦点では熱でがん組織が凝固壊死します。この焦点はコンピュータ制御で前立腺内を移動し病巣を正確に破壊するため、HIFUは早期発見の場合90%以上の治癒率を誇っています。

02. 体をほとんど傷つけず、合併症の少ない治療法

HIFU(高密度焦点式超音波療法、ハイフともいう)は強力な超音波を使って、前立腺を80〜98度の高熱で熱することにより前立腺の中の癌を殺してしまう治療法です。
HIFUは 超音波を集束し、一部だけを照射します。超音波をコンピューターコントロールすることにより、目的とする癌の部分のみを焼き殺すことが可能です。この際、治療する部位以外の部位や途中に介在する皮膚や臓器に及ぼさないのが特徴です。
写真は鶏肉を使った部分照射の実験です。周辺にはまったく影響がありません。実際の治療でも直腸には影響を与えません。

03. 同じ建物のホテルで1泊、翌々日には仕事に復帰できる

前立腺がんの標準的治療法とされる「根治的前立腺全摘術」は大体、2週間から1ヶ月程度の入院が必要になるのに対して、HIFUの場合は入院期間が1~3日程度で、翌々日には仕事に復帰することができます。

04. 前立腺がんを他の施術で治療後に、再発した場合でもHIFU治療が可能

現在、前立腺がんに対する放射線の治療法として5種類の治療法が行われていますが、どれも100%治るわけではありません。治療後約3〜10年してから約20%の患者様が再発しています。この場合、二度目の放射線治療は副作用や合併症の頻度が高くなるため困難ですし、根治的前立腺全摘術も放射線を照射した部分が癒着しているためあまり執行されません。

この20%の再発した患者様のうち、骨やリンパ節などの前立腺から離れた部位に遠隔転移がない場合にHIFUが可能となります。

05. 癌が1-2か所の場合、局所療法がおすすめ

局所療法は監視療法と手術などの根本的治療の中間に位置する治療概念で、がんを治療しながら正常組織を可能な限り残し、治療と身体機能の維持の両立を目的とします。前立腺内にとどまるがんでは、治療の選択肢の1つとなります。高密度焦点式超音波療法(HIFU)は最も局所療法に適しておりますが、他施設では凍結療法、小線源療法などを用いられています。局所療法にはさまざまな治療方法が含まれるため、治療後の評価が難しく、まだ十分な症例数がないのが現状です。ですので、HIFU後6か月以内に再度針生検を行い、病理的に残存癌の否定、照射野の熱変性を確認させて頂いております。

HIFUを受けるために

PSA検査と病理検査の結果、前立腺がんの診断が確定した場合は治療法をご検討いただきます。当院では、HIFUを受ける際の適応基準を定めています。まずはご相談ください。

  1. a)病期 T1~T2N0M0の転移のない早期前立腺がん
  2. b)術前PSA値が20ng/ml以下

除外基準としては、

  1. a)前立腺の重さが40g以上
  2. b)前立腺の中に1cm以上の大きな石灰化(結石)のある場合
  3. c)照射野に痔瘻などの直腸肛門病変を有する場合や、以前に肛門病変の手術による肛門狭窄のためプローブ挿入が不可能な症例としています。

現在のHIFU機器では、治療可能な前立腺の大きさとして40gが限界です。40g以上の場合は、3ヶ月ほどホルモン療法を受けると30g以下程度に縮小しますので、その後にHIFU療法を行うようにしています。
ホルモン療法を3ヶ月ほど受けても前立腺の大きさが40g以下にならない場合は、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)により前立腺の一部を切除したのちHIFUを施行するようにしています。

詳しくは当院にてご相談ください。

前立腺がんに対するHIFU(ハイフ)治療法の傾向

HIFU(ハイフ)は、低リスク早期がんでは90%以上の治癒率を誇り、根治的手術や放射線と同様の効果があります。
現在、東京では東海大学、東京医大(すい臓がん、美容)でHIFUが導入されています。HIFU機器は、照射パターンを改良したことで治療時間を半分に短縮。その分体の負担が減り、麻酔も腰椎麻酔で済みます。
また、照射部位を細かく修整しながらの治療が簡単に行えるようになりました。これにより、癌の焼き残しが減り、今後有効率がさらに上昇すると期待されています。東海大八王子病院で東海大学医学部の内田豊昭教授(現 八王子泌尿器科院長)が治療しながら開発されてきました。専門的になりますが、下記の多くの改良がなされました。オーシャンクリニックでは、Sonablate Version 4にさらに温度監視機能が追加されたTCMという機器を導入しており、これは国内でもまだほんの数カ所にしか導入されておりません。詳しくは当院にてご相談ください。

  • ・ リニアオーダーの変更
  • ・ 温度監視機能(TCM)の追加
  • ・ セクター照射幅の拡大
  • ・ 前立腺体積と照射エネルギー量の計測
  • ・ RIM機能の向上
  • ・ セクターイメージ中心位置の表示
  • ・ 神経血管束(NVB)検出機能

鈴木誠院長のHIFU症例数の累計

  • ・2018年度(~4月現在) 169例
  • ・2017年度 164例
  • ・2016年度 148例
  • ・2015年度 124例
  • ・2014年度 116例
  • ・2013年度 95例
  • ・2012年度 77例
  • ・2011年度 55例
  • ・2010年度 43例
  • ・〜2009年度 37例

主な7つの治療法

全国で施術されている前立腺がんの主な治療法についてご紹介します。

1  HIFU(ハイフ)効果高い、合併リスク低い 2 ロボット手術 効果高い、合併リスク2番目に低い 3  腹腔鏡手術による前立腺全摘出 効果高い、合併リスク2番目に高い 4 開腹手術による前立腺全摘術 効果高い、合併リスク高い 5 小線源療法 効果2番目に高い、合併リスク2番目に低い 6 放射線治療 効果2番目に低い、合併リスク2番目に低い 7 内分泌治療 効果低い、合併リスク低い

治療方法 起こりうる合併症 治療期間・入院期間 保険の適応

1 HIFU(ハイフ)

尿道狭窄、勃起障害、逆行性射精、清掃上体炎 約0-1日 ×

2 ロボット手術

勃起障害、尿失禁 約1週間 ×

3 腹腔鏡手術による前立腺全摘出

頻便、排便痛、出血、頻尿、排尿痛、放射線皮膚炎、下痢 約10日

4 開腹手術による前立腺全摘出

勃起障害、尿失禁、尿道狭窄、尿道狭 約2週間

5 小線源療法

頻便、排尿困難、出血、勃起障害 5-10日

6 放射線治療

排尿困難、血便、勃起障害、血尿、排尿痛、頻尿 36-38回

7 内分泌治療

勃起障害、骨粗鬆症、体のほてり、発汗、筋力低下 ×